2010年11月9日火曜日

【書評】「就職しない生き方」

書評は読書メーターにまとめるつもりだったけど、
「就職しない生き方」の編集があまりにもツボったので、メモ。




10人のIT絡みの自営業者(≒経営者)の声を書いてる本なんだけど、
9人目まで呼んだところで、「うおー、起業したくなってきたー!!」と
大分ミナギッてしまった。みんな楽しそうなんだもん。
高ぶりすぎてこの気持ちをどうしようって不安にすらなりつつ
10人目のひろゆきへのインタビューを読んだら一気に脱力して、
起業意識がどっかに抜けてしまった。
ものの見事にオチた。ていうか、オトされた。

編集者だれだろう?インタビュアーも同じ人かな?
10人のなかでビッグネームは堀江さんとひろゆきの二人で、
おそらく堀江さんをラストに持ってくるのが正道だろうと思う。
なのにあえてひろゆきをラストに持ってきたのは明らかに狙っている。
ギャグ狙いか何かのメッセージかはわからないけど。

堀江さんへのインタビューでもインタビュアーの心意気を感じる部分がある。
同じことやってておもしろいの?っていう堀江さんに質問に
本はすべて全く違いますからって答えているのに
銀魂13巻の団子屋の親父を思い出した。
幅広いジャンルのお菓子で勝負を仕掛けてくる異星人に
団子しか作れない親父は団子で幅広い世界を作って対抗するんだって言う。

ITって幅広い。なんにでも応用きく。どの世界にも入っていく。
でも、本だって同じ。目に見えにくいだけでITに負けない広い世界があるんだろう。
茶道や時計職人とかの一見静かな世界も理解できればとんでもなく深い世界があると思う。
要は粒度かな、と。荒くてわかりやすいほうが良いわけでもないし、
細かすぎてわかるひとだけにしかわからないほうが良いってわけでもないけど。

ちょっと思考が拡散してきたけど、この本の編集者の気持ちがよくわかる良い編集だった。